海外の看護師資格の取得方法と難易度

海外で看護師として働く場合には、日本で取得した看護師免許はそのままでは使用できません。
これは、日本も同様で海外で取得した看護師免許を日本国内で使用したい場合には、妥当なものかどうか審査を受けます。
これと同じように海外でも審査があったり、場合によっては、その国や州の国家試験を合格しなければなりません

看護師資格の取得方法はその国や地域によって異なります。

アメリカの看護師資格

北米の場合は、各州によって異なります。
すでに日本で看護師資格を取得している場合、基本的には正看護師としての資格試験であるNCLEX-RNに合格し、RN(Registered Nurses:登録ナース)資格を得なければなりません。

NCLEX-RNを受験するためには、CGFNSを合格する必要があります。
つまり、看護師の受験資格があるかどうかを測り(CGFNSの合格)、その後NCLEX-RNに合格して、晴れて正看護師として働く資格を得る、という流れになります。

CGFNSは日本でも受験でき、年に4回実施されています。
日本看護協会のホームページには、海外の看護師受け入れ状況が紹介されていますが、2011年の外国で教育を受けた看護師のNCLEX合格率は34%となっています。

日本での看護師資格がない場合には、アメリカでの教育を受けなければなりません。
アメリカでの教育課程を経る場合には、看護学士の取得が望ましいとされています。

イギリスの看護師資格

イギリスの場合は、日本の看護師資格があると書類審査とプログラム受講で、登録が可能となり、看護師として働くことができるようです。

以前イギリスでの看護師不足を補うため、多くの外国人看護師を雇い入れていた状況がありました。
2006年以降は、その状況が改善されたため受け入れ枠が少なくなっているようです。

登録審査のための手続きの中で、書類のやり取りに時間がかかることと、審査前に就労先からのオファーがあることを条件に挙げていることが、ネックになるかもしれません。

しかし、北米のように新たに看護師としての資格試験を受けなければならないということはありません。
また、イギリスの登録ナース資格は、EU諸国で有利に使用できるようです。

その他の国

オーストラリアやニュージーランドでは、日本の看護師資格があると審査を受けることができます。
看護師能力と語学力の審査基準を満たせば、看護師として登録されます。

登録基準は2014年に変更されているようです。
審査は、オーストラリアの学士教育と同等の水準の教育を受けてきたかどうか判断され、満たしていないと判断された場合には、ブリッジプログラムを受ける必要があります。

語学力は、IELTSが中等度(5.5~6.5)でも働くことが可能ですが、7.0以上が望ましいとされています。
受け入れの枠もその州や国の状況に応じて異なり、また、同じ国でも登録制度が変更されたりしていますので、最新の情報を事前に調べる必要があるでしょう。